医療現場の「インシデント(医療ミス)」って何?アクシデントとの違いは?

どうも!いっくんです!(@ikkun_blog

わたしは病院で臨床検査技師として働いています。

 

病院で働く上で、インシデント(医療ミス)は絶対に避けたいことの1つです。

医療現場で働き始めてこの怖さを知ることになります笑

 

今回は、インシデントがどんなものか簡単に説明しますね!

 

医療現場のインシデントとは?

どんな仕事でも、ミスって必ずありますよね。

いくら注意を払ってても、人がやってる作業にミスが起こるのは必然!

 

業種によってはミスしても笑って済ませられるかもですけど・・・

医療現場でのミスはマジで笑えません。

 

医療現場で働くスタッフがミスって「患者さんの健康を害す」とか最低ですからね。

 

それが分かってるから、現場で働くスタッフはみんなミスを恐れてます。

めっちゃ神経を磨り減らしながら働くけど・・・

いっくん
それでも医療ミスはいつか起こります!

 

医療ミスには「インシデント」や「アクシデント」がある!

インシデントとは?

医療現場ではミスに関して「インシデント」という用語が頻繁に使われてます。

 

この具体的な意味としては・・・

「患者さんに大きな実害がないレベルの医療ミス」ですよ。

 

病院の各部署では、インシデントは日々起こり続けてます。

いっくん
「看護部」でのインシデント事例が一番多いですね。

スタッフの総数がダントツで多いので当たり前ですけど笑

 

アクシデントは、完全なる事故!

インシデントと比較して使われる言葉がアクシデント(医療事故)です!

 

「ミスした結果、患者さんに実害を与える」のがアクシデントですね。

 

病院でのアクシデントはマジで危険。絶対に起こしちゃいけないやつです。

 

インシデントとアクシデントの判断はちょっと分かりにくい

医療現場において、インシデントとアクシデントの判断ってけっこー難しいところもあります。

 

医療ミスが起こったとして・・・

「誰かがミスに気付いて、処置などが行われる前に発見された場合」

「ミスのせいで誤った医療行為が実施されたけど、結果として患者に影響がほぼなかった場合」

実はこのどっちもインシデントとして扱われます笑 

後者は思いっきりアクシデントっぽいのにね!

 

なんだかんだで、臨床上大きな問題がなければセーフ(インシデントにする)になってます。

 

両者に明確な基準はあるのか・・・?

病院では患者への「影響レベル」によって、インシデントとアクシデントが区別されてますよ。

「レベル0~5」まで決められてます!

「レベル0~2」

レベル0~2まではインシデントです。

 

レベル0は誤った行為が発生したが、患者に実施されなかったケース。

レベル2はミスが原因で、患者さんに何らかの影響を与えた場合。

「レベル3a~5」

レベル3a~5までがアクシデントです!

 

レベル3aはミスが原因で、患者さんに簡単な治療が必要になるケース。

そしてレベル5は、ミスによって患者さんが亡くなる場合です!

どこの施設でもこの判断基準に基づいてはいるんですけど・・・

「レベル3a」がボーダーラインで、施設によっては3aはインシデントに含まれてたりします。

 

施設によって変わってしまうのも不思議な話ですけどね。

 

インシデントが発生したら「インシデントレポート」を書く!

インシデントが発生したら「インシデントレポート」を書きますよ!

 

これはインシデントの発生を報告することで、再発防止をするためのものです。

いっくん
パッと見は始末書っぽいけど、それとはまた別物です笑

フォーマットがあるので、そこに必要な患者情報や当時の細かな流れを記載して・・・

自分なりの「要因分析・今後の再発防止対策」などを書きます!

 

最終的に上司に確認してもらって、OKだったら医療安全の担当者へと報告されます。

もちろん周りにいるスタッフにも、もちろんインシデント事例は周知されます!

 

すげー気まずい思いをするけど、「犯人をつるし上げるためのモノ」ではないですよ笑

あくまで「ミスを次に活かそう」って感じのスタンスです。

 

「ハインリッヒの法則」って覚えてますか?

学生の頃に勉強させられる「ハインリッヒの法則」って覚えてますか?

「1件の重大事故のウラには29件の軽めの事故があって」

「さらにそのウラには300件のインシデントやヒヤリハットが存在する」

命に関わるような事故って、いくつものヒヤリハットやインシデントの中から確率論的に起こるものです。

 

スタッフの不注意だったり、手技的なエラーが原因としてね・・・!

だから「未然に防ごうとする努力」ってめっちゃ大事なんですよ。

 

病院によっても、医療安全のレベルはマチマチ。

これは感覚的な話でもあるので、参考までにして欲しいんですけど。

いくつかの施設を実際に経験して思うのが・・・

 

病院によってインシデントに対する「捉え方や厳しさ」って全然違います。

施設でホントに差があるんですよ。

A病院はゆるゆるで、インシデント事例も隠蔽体質だったりするし。

B病院では、新人でも自分から上司に申告する体制が整ってたり。

ちゃんとやってる施設と、そうじゃないところの差は歴然です。

 

いっくんのまとめ

今回は、病院でのインシデントについてお話ししました!

 

ここまでの内容で、インシデントについてなんとなく分かったかと思います。

 

インシデントもアクシデントも、絶対に避けるべきことではありますけど・・・

人がやってることにミスは必ずつきものですからね。

 

でも出来るだけミスが起こらないように、医療安全のシステムが機能してるワケです。

組織としての医療安全体制の違い、上司やスタッフの意識が大きく関係してきますよ。

 

同じミスが再発しないように、インシデント事例はしっかり報告して対策を練るのが大事ですよ!