どうも!いっくんです!
私は不妊治療クリニックで勤めていた臨床検査技師です。
みなさん妊娠検査薬って知ってますよね?
薬局で購入できる検査キットで、妊娠してるかどうか尿を使った簡単な検査で分かります。
妊娠検査薬の結果に対するイメージって、陽性=妊娠、陰性=妊娠してないと思われがちですが・・・
実はそれが通用しないケースもあるんですよ!
この記事では妊娠検査薬の正しい判定方法、妊娠検査薬が陰性でも病院で妊娠発覚するケースについて説明していきますね!
妊娠検査薬の仕組みとは?
私は不妊治療のクリニックで勤めていた「臨床検査技師」です。
今現在は総合病院で働いていますけど、かつては仕事で日常的に妊娠検査薬を使ってました。
患者さんの尿を使って検査をして、妊娠反応陽性(+)or陰性(ー)の判断をしてたワケです。
薬局でも買える妊娠検査薬の使い方については、こちらの記事を参考に!
まず妊娠検査薬のしくみを簡単に説明していきます。
妊娠検査薬は尿中に含まれる「HCG(ヒト絨毛性)ホルモン」の量を調べる検査です。
妊娠すると胎盤の一部からHCGホルモン」が作られますが、妊娠週数が進む程このホルモンはたくさん尿中に排泄されます!
妊娠してる人が妊娠検査薬に尿をかけると・・・尿に含まれたHCGホルモンと、妊娠検査薬に染み込んでる試薬が反応してラインが出る仕組みです。
ホルモン濃度に応じて判定用ラインが「薄い~濃い」感じに変化しますよ。
妊娠してなければホルモンは尿に一切出てこないので、当然ラインも出てきません!
妊娠検査薬の「陽性・陰性」の正しい判定方法とは?
陰性:ラインが1本しか出ない
判定窓に確認用の1本のラインしか出てこなければ陰性です。
今回の検査では妊娠反応は認められなかったということ。
しかしながら、もしかしたら妊娠してる可能性もまだ残ってます!また後で説明しますね。
妊娠反応陽性:ラインが2本出る
もし妊娠していれば、妊娠検査薬には2本のラインが出てきます。
判断に困るのが、画像の1番上みたいにラインが薄く出てくるケースですね。
なんで薄いかというと「HCGホルモンの量が少ない」ことが考えられます。
まだ妊娠週数が浅い時って、ホルモンも少ししか出てないとラインも薄い発色になるんですよ。
うっすら出てるのは陽性としてOKです!
混乱させそうですがラインが陽性でも現在妊娠してるとは言い切れません。後で説明しますね!
確認用のラインすら出てこない場合
時間を置いてもラインが1本も出ないなら、検査の手順を間違えた可能性大です・・・!
(もしくは妊娠検査薬が不良品だったかもしれません)
まあいずれにしても検査は失敗なので、新しい検査薬を使ってもう一度正しいやり方で再検査しましょう。
妊娠検査薬が陰性でも病院で妊娠発覚?時間差で陽性になる事も
妊娠超初期はラインが出ない?
さっきとは逆のパターンで、ラインが2本出なくても妊娠してる場合もあります!
これは妊娠の超初期段階に起こり得ることで、何でそんなことが起こるのかというと…
妊娠の超初期段階って、尿に出てくるHCGホルモンの量がかなり少ないんです。
妊娠検査薬は一定のホルモン濃度がないと発色しません。
だから超初期に検査しても結果は陰性になる場合があるんです。
でもご想像の通り、妊娠週数が進めばホルモンの量も順調に増えていくので。
また時間が経って再検査すれば陽性になるはずです!
妊娠してないと思って油断はしない
このケースで気を付けて欲しいことがあります。
「妊娠じゃなくて生理が遅れてるだけか!」と、タバコや酒を楽しんだら後で後悔しますよ。
妊娠じゃなかったと思って油断した時期こそが、胎児の脳神経系の発育で一番大事な時期なんです。
不摂生な生活した後に妊娠してたと気付いたら最悪ですよね。
1回目の検査が陰性でも「妊娠超初期」の可能性が残るので、時期をずらして2回目の検査をしましょう!
結果が陽性でも妊娠してないケースもある
検査薬で陽性なら妊娠してる可能性は高い
判定結果が陽性の場合、妊娠している可能性は高いです。
でも「検査薬で2本ラインが出たから妊娠してる、やったー!」っとはならないで下さい・・・!
この検査だけじゃ今現在100%妊娠してるとは限らないんです。
ネガティブな話になりますが…「妊娠したけど検査時点で胎児が亡くなってる」可能性もあります。
これにはさっき上で説明した事が関係してきます。
胎児が亡くなってても陽性になる?
この場合、受精して着床まで進んだのは事実なんですよ。
母体の中では「実際に妊娠が成立してた」ので、HCGホルモンも分泌され始めてます!
でも残念なことにその後、胎児が亡くなってしまったワケです。
胎児が亡くなっても母体のホルモン分泌は急にストップせず、HCGホルモンは少量ながら尿中に出てくるので、検査すれば結果は陽性になります。
検査薬の結果だけで判断するのはNG

妊娠検査薬は、あくまで「妊娠してるかどうかを見つけるきっかけ」だと思って下さい!
ホントにただそれだけの役割しかないんですよ、この検査って。
ドラマであるよくワンシーンみたいに・・・妊娠検査薬の結果だけで色んな人に報告するのは絶対やめた方がいいです!
後日、産婦人科でエコー検査をしたら亡くなってたなんていったらもうね。。。
(そういう事例をいくつも見てきたのでやめといた方がいいです)
妊娠検査薬を使ってから、その後に取るべき行動とは?

妊娠検査薬は超使えるアイテムなのには変わらないですけど。
これまでは妊娠検査薬の結果を見たまま信じてた方にとっては、
「思ってたより複雑だし、ハッキリしないな」って感じたと思います。
検査薬の結果は、あくまで1つの目安にとどめといてください!
では最後に2パターンの結果に応じて、取るべき行動についてお話ししますね。
妊娠検査薬で「陽性」判定になった方

妊娠検査薬で陽性判定になった場合。
次にすべきことは現在も妊娠が成立してるかの確認です!
本当に妊娠してる?
お腹の胎児は今も元気なの?
それは産婦人科の医師に判断してもらうのが一番です。
「医師の診察とエコー検査による胎嚢確認」で初めて分かるので、早めに受診しましょう。
最終的に信じられるのは医師だけなので、医師から「胎嚢と心拍の確認が取れました!」って言われるまで配偶者以外には言わない方が良いです。
妊娠検査薬で「陰性」判定になった方
妊娠検査薬で陰性判定になった場合。
もし1回目の検査が妊娠超初期段階だった場合、2週間後に再検査をすれば陽性になるはずです。
子供を望んでても検査結果が陰性でも、落ち込まないで下さいね。
今の夫婦は子供を望んでもすぐ授からないのは珍しくないので!
全国には無数にある不妊治療クリニックが、妊娠の難しさを物語ってますから。
不妊治療についても簡単に
不妊治療についても簡単に話しますね。
もし夫婦の子作り期間が1年に満たないなら、タイミング法を実践する感じでいいですけど。
もし1年以上経っても子供が授からなければ、話は変わります。
不妊治療のクリニックで、夫婦そろって不妊症検査を受けるべきです。
夫婦どちらかだけの検査じゃダメですよ。不妊原因は男女半々だから2人とも検査を受けましょう!
もし何か不妊の原因があるなら、治療しないと自然妊娠は難しいと考えられるので。
後はそこの専門医と、世界トップレベルの「日本の生殖医療」に任せましょう!
今回は、妊娠検査薬の結果判断についてお話ししました。
妊娠検査薬は説明書を読めば誰でもできるものですけど。
「結果の判断は、思ったより複雑なんだな」ってことが伝わったかと思います。
ハッキリ言えるのは、妊娠検査薬はあくまで目安に過ぎないってことですよ!