
どうも!いっくんです!
私は病院で働く臨床検査技師です!
病院での「採血」って凄くイヤですよね?
しかし中には、採血をした後に「もう一度採血させて下さい!」って言われるケースがあります!
そうなる理由は大きく分けて「3つ」あるので説明していきますね。
採血後に、やり直しになるケースがある!

私は病院で臨床検査技師として働いています!
みなさんは病院で採血を受けた後に、スタッフから呼び出されてこう言われた経験はありますか?
「すみません、もう一回採血させて下さい!」ってね。

疑問に感じてる人も多いと思います!
どういった経緯で採血をやり直すことになるのか、具体的に説明していきますね。
採血を取り直しになる3つの理由とは?
採血を取り直しの理由は、大きく分けて「3パターン」。
採血を取り直しになる時には、大きく分けて「3パターン」の理由があります。
①採血量が足りない(スタッフのミス)
②固まっちゃいけない血液が固まってた(スタッフのミス)
③「溶血」していた!(どちらのせいとも言えない)
この3つが再採血のメインとなる原因です。
見て分かる通りほぼスタッフのせいなんですよ笑
これ以外にもパターンはありますけど、レアなケースとなるので紹介しません!
ではそれぞれの理由について簡単に説明しますね。
①採血量が足りない。

採血量が足りないパターンについて!

スタッフから謝られたことがある人もいるはず笑
採血する時って、何本か色違いの採血管があると思いますけど。
それぞれの採血管で「必要な血液量」が決まってるんですよ!
どの採血管もよく見ると「ライン」が印されてて、一目で必要量が分かるようになってます。
そのラインまで血液が入ればOKって感じでね。
これは採血室のスタッフのチェック不足で、量が足りないのに後で気付いたパターンですよ。
これはもう100%スタッフが悪いやつです笑
②固まっちゃいけない血液が固まってた。

血液が固まっていいものと、ダメなものがある!
これは固まっちゃいけない血液が固まってたパターンです!

採血する時って、色んな種類の採血管を使うんですよね。
検査の種類によって「血液が固まっていい採血管」と「固まっちゃダメな採血管」があるんですよ。
生化学・免疫検査は固まるべきモノだし、血算や凝固は固まっちゃダメ!
ちなみに固まっちゃダメな採血管には「粉や液体」が入ってますよ。
これが血液の凝固を防ぐためのものなんですよね。
固まると検査ができなくなる?
血液が固まったらダメな試験管の場合・・・
ほんの少しでも固まるともうアウト(検査不可)です。
固まった血液を検査機器に吸わせたら「異常値」になるので。
「また採血やるのはイヤだから、どうにかさっきの血液で検査して欲しい」って頼まれてもムリですよ!
申し訳ないけど、もう一回採血するしかないんです。
採血した時には、採血管を軽く振ってるはず!
病院で採血してもらった時って、スタッフは採血管を軽く上下に振ってると思います。
あの動作をすることで「採血管の中の薬と血液」を混ぜてます。
これでちゃんと混ざれば、血は固まらずに検査に使えるので!
もし凝固したんだとしたら・・・
採血直後にちゃんと試験管を混ぜなかったスタッフのミスです笑

③「溶血」していた。

出典:http://www.kmuh.org.tw/www/clinlab/4_2.htm
「溶血してた」って言われて、ビックリした人もいるはず!
溶血っていうパターンもあります!
スタッフは普通に「溶血」っていう専門用語を使いがちなのでね。

初めて聞いた人は、意味不明だしびっくりするはずです笑
採血した時に、何かの理由で赤血球が壊れた!
溶血がどんなもんかというと・・・
「血液中の赤血球が壊れてしまってる状態」ってことです!
上の画像を見ると、右にいくにつれて「赤く」なってますよね?
右にいくほどに溶血してるんですよ。
赤血球の成分が溶け出てる状態なので、血液検査の結果に影響が出ます。
だから溶血を確認したら、採血を取り直してもらうワケです。
溶血する原因とは?
何で溶血するかというと・・・
こういった場合に溶血しちゃいます!
採血者の技量が悪くて溶血する場合もありますけど・・・笑
どれにも共通してるのは「採血しにくい患者さんの場合」ってことですね。
1つ言えるのは、スムーズに採血できた場合には溶血する事はほとんどありません。
なのでこれに関しては「患者さんとスタッフ」で原因は半々ですね!
採血の取り直しは、気付くまでに時間がかかる!

取り直しすべきか分かるタイミングは?
もう一度採血をして欲しいって言われた患者さんの中には・・・
「採血してから、取り直しが分かるまで遅くない?!」って思う人もいると思います。
どのタイミングで「採血の取り直しの必要性」に気付くのかですが。
まず採血した血液は検査室に運ばれて、そこで最初に受付処理をします。
「血液量は足りてるか?」
「固まっちゃダメな血液が固まってないか?」
この時に目視でチェックしますよ。
確認してダメな血液検体があれば、この段階で再採血の対象になります!
「溶血の有無のチェック」には時間がかかる!

受付する時には「そのまま検査機器にかける血液」と「遠心機にかける血液」を選別します。
そして遠心機にかける血液は、上の写真みたいな「遠心機」に入れて回していきます!
ちなみに遠心機は1分間に3000回転もする機械ですよ。
遠心機に血液をセットして10分遠心することで・・・
血液は上澄みと血球に分かれます。
溶血は遠心処理をしないと判断できないので時間がかかるワケです!
遠心機にかけた血液はこうなります!

出典:http://www.kmuh.org.tw/www/clinlab/4_2.htm
もし溶血してた場合は、本来は黄色いはずの上澄みが赤くなるのでね。
遠心機から取り出した時に初めて、溶血してるかどうかが分かるってことです!
パッと見て「あ、溶血してる!取り直しの連絡をしないと!」ってなるワケです。
なので取り直しかどうかが判断できるまでに、遠心処理分の時間が必要です。
目安としては、採血して遠心が終わるまで最低20分はかかるのでね。
時間がかかる理由はこれで分かったかと思います!

今回は、医療機関での「採血の取り直しの理由」についてでした!
スタッフは「もう一度採血させて下さい」って簡単に言いますけど・・・
患者さんからしたらたまったもんじゃないですよね笑
取り直しが必要な理由は大きく分けて3パターンですけど。
「溶血」以外は、基本的にスタッフのミスです笑
イラッとするでしょうけど、優しく見守ってくれると嬉しいです!