
どうも!いっくんです!
医療ドラマでよく見る「遺体の解剖」がどんな仕事か気になる方へ!
私は総合病院で働く臨床検査技師なんですけど、遺体解剖の助手として立ち会う機会があります。
病理部に配属された臨床検査技師の仕事として、遺体の解剖助手があるんですよね。
たぶんみなさんが想像してる以上にグロくて過酷な世界ですよ笑
この記事では、遺体解剖の仕事について解剖助手の目線で説明します!
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【今回の目次】
遺体解剖:医療現場における解剖とは?

私は総合病院で臨床検査技師として働いています!
みなさんは遺体の解剖ってどんなものか想像できますか?
ドラマや漫画を通してイメージが湧く方もいるかと思いますけど。

病院での遺体解剖はどういう時にやるのかというと・・・
病院で患者さんが亡くなった時に、死因をチェックするためにやります。
といっても患者さんが亡くなっても、必ず遺体解剖をするわけではありません。
具体的にどんな場面でやるのかというと。
・死因が不明の場合
・診断した疾患がホントに合ってるか確認したい時
こういった場合に、医師の判断でやることがあります。
もちろん解剖を行うには家族による同意が必要になりますよ。
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遺体の解剖:臨床検査技師が解剖助手になる!

解剖をメインで進めるのは「病理医」という医師です。
病理検査を担当する私は、仕事の1つで遺体解剖の助手に入ったりすることがあります。
ちなみに病理検査は患者さんの細胞や組織から「がん」があるかどうかを調べたりする仕事です。
TOKIOの長瀬主演でドラマにもなっていた「フラジャイル」の世界ですよ!
遺体解剖:件数はドラマより全然少ない。

ちなみにドラマで人気だった「アンナチュラル」は、病院とは違う「司法解剖」に関するストーリーです。
事件や事故に関する解剖を担当するところで、病院で行われる病理解剖とは一線を画します。
しかしあのドラマのイメージで、病院でもしょっちゅう解剖をやってるように勘違いされるんですよね笑
アンナチュラルのラボは、年間で約400体の司法解剖をやってるって言ってましたけど・・・
病院の病理解剖は、全国どの病院でも年間平均10件ぐらいですよ。

でもその実態はかなりハードなので、そのリアルな内容を説明していきますね!
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遺体解剖:仕事はどういった手順で行われる?
出典:http://www.ntv.co.jp/bull/words/03.html
解剖する時には、2つのパターンがある?
医療現場では、解剖のことを「ゼク」っていいます。
ゼクをする時には2つのパターンがあります!
①患者さんの死後、間もない状態での解剖
②遺体を冷蔵しておいてからの解剖
基本的には亡くなった後のご遺体は、専用の「遺体保存用の冷蔵庫」で保管されます。
冷蔵庫は解剖室にあって、解剖する際には冷蔵庫から出して解剖台の上に移動することになります。
もし急いで解剖をしなければいけない理由があれば、死後ホヤホヤの温もりが残ってる状態でやるケースもありますよ。
死後間もない状態でやるのはけっこーキツいです!
ちなみに解剖台の上に乗ったご遺体は「ただ人が寝てる」って感じの印象であまり怖くありません!
解剖は手順がしっかり決められてる!
遺体解剖には手順が定められてます。
その規約に沿って病理医が解剖を進めていきますよ。
まずは喉の辺りから切れ込みを入れていって、胸、腹と順に切り開いていきます!
解剖助手である私は、ご遺体を間に挟んで先生と向かい合う場所に立ちます。
先生がやりやすいように補助に徹するワケですね。
ご遺体の身体を切り開いていく際に、先生が処理しやすい様にご遺体の骨や肉を支えたりします。
さらに助手の仕事として、「腹水や胸水など」の体液のをカップですくってどれぐらいの量があるか測ったり・・・
心臓などの全ての臓器を取り出して、重さを量って記録ていきます!
最終的には遺体のお腹の中は空っぽの状態になりますよ。

解剖が終わったご遺体は、綺麗にして返します!
そして検査用に臓器をすべて取り出したら・・・
あとは水と石鹸、布を使ってご遺体の身体を綺麗にしていきます。
解剖した時に体中にめっちゃ血がついてるので、それを落としていくんです。
しっかりタオルで拭いて水気を取ったら、今度は切開した部分を縫合して元通りにしていきます。
その際に空っぽになった胸腹部には新聞紙や布を押し込みます。
そうしないと本来の形を維持できないのでね。
その上で針と糸を使ってしっかりと縫っていきます。
キレイにしてからご遺体を遺族の方に返します!
遺体解剖:臭いし過酷です!

解剖の最中はとにかく血生臭い。
解剖が始めると、もう臭いが半端ないです。
人間ならではの「血生臭さ」が尋常じゃないんですよね。

なんとなく伝わりますかね?
動物の血と肉の生臭さの中に、魚っぽい臭いまでもが混ざってるんですよね・・・
「マスクを二重」にしても全然マシにならない臭いです。
ご遺体の血液やうんこが溢れる。
解剖する時には、ご遺体の身体の中には「血液」や「うんこ」などは全て残ったままです。
お腹を切り開いて腸を取り出す過程で、普通にうんことか出てきますから笑
特に腸を処理する時がキツくて、数mある腸をずるずると引っ張り出した後に・・・
腸を手でしごいて、中に入っているうんこを全て絞り出していきます!
こんな過酷な仕事ってなかなかないと思いますよ笑
綺麗な世界観しか映さない医療ドラマでも、こういったリアルな部分を再現して欲しいところです。
解剖で取り出した臓器を、病理検査に進める!

そして取り出した臓器は、ホルマリンに漬けてから後日病理検査へと進めていきますよ。
この仕事を通して、生々しい「肺がん」なんかもゼロ距離で見れましたよ!
タバコはマジでやめた方が良いって痛感します笑
遺体解剖はけっこーハードな仕事です
遺体解剖は思ってるよりもかなりハードだと思います。
医療の現実は、よくあるドラマみたいな綺麗な世界観とは全然違いますよ。
かなりグロいし肉体的にも精神的にもハードです。
でもそんな過酷な解剖に立ち会った日でも、普通に「焼肉」とか食べれちゃうので笑
人間の慣れはホントに凄いなと思ってますよ!

今回は病院での「遺体解剖の補助」について、リアルにまとめてみました・・・!
あまり知られていない病院での遺体解剖は、こんな感じで行われています。
血が見れないタイプの人には絶対できない仕事だと思いますよ!
もし解剖用の刃物で手とか切ったらシャレになりませんし。
正直言って「キツい、汚い、危険」が揃った仕事だと思います!